必殺 仕置人治療院
初めて治療に来てくださる夫婦がいたとします。
「どちらから先にやりましょうか」と聞くと。
奥さん 「あなたからどうぞ」
ご主人 「俺は後で良い。お前から先にやってもらえ」
奥さん 「私は後で良いです。あなたから先にどうぞ 」
ご主人 「うるさいツ、お前から先にやれツ 」
というわけで、最初はたいてい奥さんからやることになります。
横で見ていたご主人は、痛くもなく、気持が良いなどと言う奥さんを見て、
やっとホッと安心するのです。
それでも、いざ自分の番になると、結構体を固くしたりして、まだ少し不安なのです。
このように、男は案外気が弱くて、怖がりなのです。
二回目に来た時、「今日はどちらから先にやりますか」と聞くと、
「俺から先にお願いします」などと、奥さんそっちのけで、
自分から先にと言い出します。
昨日、永く通っている奥さんが、初めてご主人を連れてきました。
治療が始まって。
私 「奥さん、日ごろの恨みがあるんなら、今、私がはらしてあげますよ 」
奥さん「お願いします。できるだけ痛くしてやってください。ヒヒヒ 」
ご主人「おい、冗談じゃないよ。
お手柔らかにお願いしますよ」
私 「この治療はね、やられているときは何とも感じないんですが、
間違った治療をするとだんだんと衰弱して、最後は、原因不明のまま
死んでしまいますよ。
だから、恨みのある人間がいたら連れてきてください。
ジンワリと死なせてやりますから。
そういう意味では、私は、必殺 仕置人治療院なんです
」
奥さん「怖いですねー」
私 「痛くないし、傷もない、骨が折れもしない。でも、なぜか全身が衰弱して
やがて死ぬのです。
間違ったでたらめな治療を長く続けると、長い間には、
本当にそうなるんです。
病院で検視をしても、原因なんか判りませんよ。
今、同じようなことが病院では行われているんです。
意図的では無いにしても。
それは、薬漬けのことです。
原因が判っていないのに薬ばかり大量に飲み続けると、
やがて同じような結果になります。
保険が効いて、タダみたいな料金で薬が貰えると有難がっていると、
とんでもないことになりますよ」
奥さん「証拠が残らないのは嬉しいなー 」
ご主人「おい、冗談は顔だけにしてくれ 」
奥さん「あツ、決定的な一言。
先生、ぜひ必殺の治療をお願いします
」
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