他人の財布の中身を数えるな
先日来た、ある患者さんは。
「先生のところでは、治療費が一人、***円でしょ。すると、一日**人治療すると、
***円で、一か月には、****円ですよね。すごいですねー。
そんなに稼いでどうするんですか。あの世には持っていけませんよ。蔵でも建てるんですか」
まー、こういう風に、人の財布の中身をウンヌンするのは、止めてもらいたいものですな。
自営業者と、給与所得者、つまりサラリーマンでは、所得ということについて、
認識に大きな隔たりがあります。
よく、年商が何億だとかいいます。
では、その何億円がすべてそのまま儲けかというと、当然のことながら違います。
もし仮に、年商が10億円あって、そのための経費が11億円あれば、1億円の赤字です。
売上というものには、必ず経費がかかるのです。
私は、サラリーマンも自営業も、両方経験しておりますから、良くわかっているのですが。
まったくの給与生活者は、分かっていない人が多いのです。
ましてや、専業主婦という立場の人は、ほとんどが理解できていません。
自営業で、1か月100万円売り上げがあっても、数々の経費を引いてゆけば、
手元に残る金額(サラリーにあたる部分)は、ほんのわずかです。
サラリーマンが一度手にした給与から、会社の運営のための経費を改めて徴収されること
など有りません。もらったものは、すべて自分のものです。
ところが、自営業は、売り上げから、どんどんと経費を払っていかなければならないのです。
他人の売り上げだけを計算して、すごい儲けだ、などと思われたらたまりません。
自営業の人は、好きな時に自由に休みが取れて、幸せですね、などとほざきます。
私に言わせれば、待ったく逆です。
サラリーマンの方が、ずっと決まった日々に、決まった休日を得ることができます。
自営業者は、休日を決めるのに、他人様から指図されないというだけで、
実際に休みが取れるかというと、ほとんど取れません。
退職金も、ボーナスも無いのが、一般的な自営業です。
定年はなくて、いつまでも働けますが、病気やけがなどをすれば、即、廃業です。
これは、自営業の人に聞いてみれば、皆さんが必ずと言ってよいほど、言うことです。
ちなみに私は、今年は、たまった用事を一挙に片付けるための、一日だけしか休んでいません。
サラリーマンも、自営業も、一方的にどちらが良いとか悪いとか決められないのは
もちろんですが、こういった事情も少し分かりあえると、他人(ひと)様の財布だけを、
なんの根拠もなくうらやましがる事は、無くなると思います。
仮にですよ、倒産寸前の会社にいて、ろくに給与も貰っていない人に、
「サラリーマンは、給料が保障されていて良いですねー」などと口走ったりしたら、
お互いに感情的になって、せっかくの人間関係を壊しかねません。
冗談半分にでも、他人の財布に言及するようなことは、止めておくべきでしょう。
健康法師菅原の徒然草「納得ブログ」
腰痛、肩・首・頭痛を解消したい方
土日・祝日も営業 治療歴40年の信頼と実績 相模大野駅より徒歩10分 19時まで受付 駐車場あり